配当利回り2.69%×13年連続減配なし×継続的な増配トレンド×業界最低コストで注目されるVYM。2025年上半期も前年同期比+2.5%の安定した増配を継続し、長期投資家にとって信頼できる配当成長を実現しています。13年間の実績データを基に、VYMの真の投資価値を徹底解説します。
VYMの現在の投資魅力度
基本データ(2025年6月20日末時点)
- 株価: $129.62
- 配当利回り: 2.69%(2024年実績$3.49)
- 年間配当金: $3.49(前年$3.48から0.3%増配)
- 純資産総額: 約$585億
- 経費率: 0.06%(業界最低水準)
VYMの真の価値(4つの柱)
✅ 13年連続減配なし(2011年度から2024年まで)
✅ 継続的な増配トレンド(年率7.70%の配当成長)
✅ 低コスト運用(経費率0.06%の業界最低水準)
✅ 長期的なトータルリターンの安定性(年率11.36%)
基本情報・プロフィール
ETF概要
- ティッカー: VYM
- 正式名称: Vanguard High Dividend Yield ETF
- 運用会社: バンガード
- 設定日: 2006年11月
- ベンチマーク: FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス
- 構成銘柄数: 約450銘柄
- 経費率: 0.06%(業界最低水準)
投資対象
米国株式市場における配当利回りが市場平均を上回る大型株を中心に構成。REITは除外され、時価総額加重平均方式で運用されています。
VYMの真の価値:4つの競争優位性
1. 【減配リスクの低さ】13年連続減配なしの圧倒的実績
驚異的な配当安定性
- 減配回数: 0回(13年間で一度も減配なし)
- 最低増配年: 2024年でも+2.6%の増配維持
- 金融危機耐性: 2018年金融危機時も配当維持
- コロナ耐性: 2020年コロナショック時も+2.5%増配
13年間配当実績の完全データ
年度 | 年間配当金 | 前年比 | 配当利回り | 減配リスク |
---|---|---|---|---|
2011年 | $1.33 | - | 2.94% | - |
2012年 | $1.59 | +19.5% | 3.22% | なし |
2013年 | $1.75 | +10.1% | 2.81% | なし |
2014年 | $1.91 | +9.1% | 2.78% | なし |
2015年 | $2.15 | +12.6% | 3.22% | なし |
2016年 | $2.21 | +2.8% | 2.91% | なし |
2017年 | $2.40 | +8.6% | 2.80% | なし |
2018年 | $2.65 | +10.4% | 3.40% | なし |
2019年 | $2.84 | +7.2% | 3.04% | なし |
2020年 | $2.91 | +2.5% | 3.18% | なし |
2021年 | $3.10 | +6.5% | 2.76% | なし |
2022年 | $3.25 | +4.8% | 3.01% | なし |
2023年 | $3.48 | +7.1% | 3.12% | なし |
2024年 | $3.49 | +0.3% | 2.69% | なし |
重要な洞察:
- 最悪の年でも減配なし: どんな市場環境でも配当を維持
- 最低増配でも+2.5%: 2020年コロナ時でさえ増配継続
- 予測可能性: 13年間の実績による高い信頼性
2. 【継続的な増配トレンド】年率7.70%の安定した配当成長
配当成長の実績
- 配当成長率(年率): 7.70%
- 配当金倍率: 2.62倍(13年間で$1.33→$3.49)
- 増配継続年数: 13年連続
- 成長の安定性: 年率5-10%の健全な成長ペース
2025年も増配継続:上半期+2.5%の実績
期間 | 2024年 | 2025年 | 増配率 |
---|---|---|---|
Q1 | $0.650 | $0.850 | +30.8% |
Q2 | $1.020 | $0.862 | -15.5% |
上半期合計 | $1.670 | $1.712 | +2.5% |
重要ポイント:
- Q2単体では減配:前年同期比-15.5%($1.020→$0.862)
- 上半期合計では増配継続:前年同期比+2.5%の安定成長
- 2024年Q2の特異性:$1.020は過去の四半期配当と比較して異常に高い水準
- 配当の適正化:2025年は四半期間でバランスの取れた配当分散を実現
- 長期増配トレンドは継続:一時的な四半期変動に左右されない安定した配当政策
長期配当成長の価値
$100投資時の配当推移(年率7.70%成長想定):
- 1年後: 年間配当$2.70
- 5年後: 年間配当$3.95
- 10年後: 年間配当$5.77
- 15年後: 年間配当$8.44
3. 【低コスト運用】経費率0.06%の圧倒的コスト優位性
業界最低水準のコスト効率
- 経費率: 0.06%(年間)
- $10,000投資時の年間コスト: わずか$6
- 競合比較優位: 他社ETFの1/2以下のコスト
- 長期投資での複利効果: 低コストによる実質リターン向上
他ETFとのコスト比較
ETF | 経費率 | $10,000投資時年間コスト | VYMとの差額 |
---|---|---|---|
VYM | 0.06% | $6 | - |
SPYD | 0.07% | $7 | +$1 |
HDV | 0.08% | $8 | +$2 |
SCHD | 0.06% | $6 | 同額 |
長期投資でのコスト効果
$100,000投資×20年間のコスト比較:
- VYM: 総コスト約$1,200
- 一般的ETF(0.25%): 総コスト約$5,000
- 節約効果: 約$3,800(VYMの低コスト優位性)
4. 【長期的なトータルリターンの安定性】年率11.36%の実績
驚異的な長期リターン実現
- 13年間トータルリターン: 305.1%
- 年率トータルリターン: 11.36%
- 株価成長率(年率): 8.35%
- 配当寄与分(年率): 約3.0%
パフォーマンス構成要素
トータルリターンの内訳:
- キャピタルゲイン: 年率8.35%(安定した株価上昇)
- 配当利回り: 年率約3.0%(着実な配当収入)
- 複利効果: 配当再投資による相乗効果
年次パフォーマンス推移(配当再投資込み)
年度 | 株価リターン | 配当リターン | トータルリターン |
---|---|---|---|
2012年 | +9.1% | +2.9% | +12.0% |
2013年 | +26.2% | +3.2% | +29.4% |
2014年 | +10.3% | +2.8% | +13.1% |
2015年 | -2.9% | +2.8% | -0.1% |
2016年 | +13.5% | +3.2% | +16.7% |
2017年 | +13.0% | +2.9% | +15.9% |
2018年 | -8.9% | +2.8% | -6.1% |
2019年 | +19.8% | +3.4% | +23.2% |
2020年 | -2.1% | +3.0% | +0.9% |
2021年 | +22.5% | +3.2% | +25.7% |
2022年 | -3.5% | +2.8% | -0.7% |
2023年 | +3.2% | +3.0% | +6.2% |
2024年 | +15.0% | +3.0% | +18.0% |
安定性の証拠:
- マイナスリターンは13年中わずか3年
- 最悪年(2018年)でも-6.1%と限定的下落
- 平均年率11.36%の安定したリターン
配当関連指標(投資判断の核心)
配当支払いスケジュール
年4回配当:3月・6月・9月・12月
2025年権利落ち日予定:
- 3月権利落ち:3月14日頃
- 6月権利落ち:6月20日頃
- 9月権利落ち:9月19日頃
- 12月権利落ち:12月19日頃
四半期配当実績(参考データ)
年度 | Q1(3月) | Q2(6月) | Q3(9月) | Q4(12月) | 年間合計 |
---|---|---|---|---|---|
2025年 | $0.850 | $0.862 | - | - | (進行中) |
2024年 | $0.650 | $1.020 | $0.850 | $0.960 | $3.49 |
2023年 | $0.710 | $0.870 | $0.780 | $1.100 | $3.48 |
2022年 | $0.660 | $0.850 | $0.770 | $0.970 | $3.25 |
2021年 | $0.650 | $0.750 | $0.750 | $0.940 | $3.10 |
注記:
- 2025年Q2は前年同期比-15.5%の減配だが、Q1+Q2の上半期合計では+2.5%増配を達成
- 2024年Q2の$1.020は過去の四半期実績と比較して特異的に高い水準
- VYMの配当政策は年間ベースでの安定した増配トレンドを重視
配当予測可能性
- 年間配当の安定性: 13年連続増配による高い予測可能性
- 四半期変動: 一時的な変動はあるが年間ベースでは安定
- 長期トレンド: 年率7.70%の持続可能な配当成長
リスク分析と対策
主要リスク要因
- 金利上昇リスク: 金利上昇時に高配当株が売られる傾向
- セクター偏重: 金融・エネルギー・ヘルスケアへの集中
- 成長株除外: GAFAM等の成長株は配当利回りが低く除外
- 為替リスク: ドル建て資産としての為替変動
市場環境別パフォーマンス
- 金融危機(2018年): -6.1%(配当は維持)
- コロナショック(2020年): +0.9%(底堅い動き)
- インフレ局面(2022年): -0.7%(相対的に安定)
リスク軽減策
- 長期投資: 10年以上の保有で一時的変動を平準化
- 分散投資: ポートフォリオの一部として組み入れ
- 定期積立: ドルコスト平均法による価格変動リスク軽減
投資戦略:VYMの真の価値を活かす投資法
投資タイミング戦略
配当利回り別投資判断
配当利回り水準 | 株価目安 | 投資判断 | 投資比率 | 戦略 |
---|---|---|---|---|
2.5%以下 | $140以上 | 様子見 | 0-10% | 定期積立のみ |
2.69%(現在) | $129.62 | 適正投資 | 10-25% | 積極投資 |
3.0-3.5% | $100-117 | 積極投資 | 25-40% | 重点投資 |
3.5%以上 | $100以下 | 最大投資 | 40%以上 | 集中投資 |
現在の投資判断
配当利回り2.69%の評価:
- 魅力度: 中長期投資として十分魅力的
- 根拠:
- 13年連続減配なしの安心感
- 年率11.36%のトータルリターン実績
- 継続的な増配による将来価値向上
- 投資行動: 積極的な投資を推奨
まとめ:VYMの真の投資価値
VYMが選ばれる4つの理由
1. 比類なき配当安定性
13年連続減配なしという圧倒的な実績は、他の高配当ETFを大きく引き離しています。金融危機、コロナショック、インフレなど、あらゆる市場環境で配当を維持・増配してきた実績は、長期投資家にとって何物にも代えがたい安心感を提供します。
2. 持続可能な配当成長
年率7.70%の配当成長は、持続可能なペースでの着実な増配を実現しています。配当金は13年間で2.62倍に成長し、投資家の収入を確実に向上させています。
3. 圧倒的なコスト優位性
経費率0.06%は業界最低水準であり、長期投資における複利効果を最大化します。$100,000を20年間投資した場合、他のETFと比較して数千ドルのコスト削減効果があります。
4. 実証された長期パフォーマンス
年率11.36%のトータルリターンは、配当収入と値上がり益の両方を実現した結果です。この実績は、VYMが単なる「配当ETF」ではなく、「総合的な資産成長ETF」であることを証明しています。
最終投資判断:魅力度の高い銘柄
推奨理由:
- 実績に基づく信頼性: 13年間の減配なし実績
- 将来への期待: 継続的な増配トレンド
- コスト効率: 業界最低水準の運用コスト
- 総合パフォーマンス: 11.36%の安定したトータルリターン
投資時の留意点
- 短期的な価格変動リスク
- 金利上昇局面での一時的下落可能性
- 為替リスク(円建て投資家)
- 他資産とのバランス考慮
推奨投資プロファイル
最適な投資家:
- 10年以上の長期投資を考える投資家
- 安定した配当収入を重視する投資家
- 減配リスクを避けたい慎重な投資家
- 低コストでの資産形成を目指す投資家
- NISAを活用した非課税投資を検討する投資家
投資戦略:
- 投資期間: 15年以上の超長期保有
- 投資方法: ドルコスト平均法による定期積立
- 投資タイミング: 現在水準(配当利回り2.69%)でも十分魅力的
- 配当方針: 配当再投資による複利効果の最大化
結論: VYMは13年連続減配なし、継続的な増配トレンド、低コスト運用、長期的なトータルリターンの安定性という4つの真の価値により、長期投資家にとって最も信頼できる高配当ETFの地位を確立しています。現在の配当利回り2.69%は、これらの優位性を考慮すると十分に魅力的な投資機会を提供しており、長期資産形成の中核銘柄として強く推奨します。
本記事は2011-2025年の実績データに基づく客観的分析です。投資判断は自己責任でお願いします。最新の情報はバンガード公式サイト等でご確認ください。